平成15年9月1日 マイスター通信 第7号
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第7号
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便利にはなりましたが、地域の食文化の個性は薄れてしまいました。原産地や作り方、保存方法等にこだわらなければ、年中、何処でも同じような食材や食品が手に入ります。形態も、規格の揃った生鮮食品・調理済み・半調理・レトルト・冷凍食品等々、スーパーの品揃えは豊富です。コンビニには、定番の弁当・おにぎり・総菜やサンドイッチ等の中食(なかしょく)が並び、まずはお腹を満たせます。便利で手頃なファミレスも、細かい調理マニュアルとセントラル・キッチンが行き届き、全国何処のチェーン店でも、同じ料理がサッと出てきます。ファーストフードは、更に単純化され徹底しています。手間は省け、時間も節約。しかし季節の味、我が家の味、郷土の味は遠くなりました。 一方、テレビは食べ物番組・食べ歩き番組が大繁盛です。大半はタレントが舌鼓を打って「ん〜絶品!」などと連発するワンパターンですが、登場する料理はそれぞれ特色があります。また、奥の深い企画番組には、それなりの人気があるようです。これだけ放映され、視聴者もいるということは、画一化された食への物足りなさ、個性ある食文化への渇きを表すものではないでしょうか。 近年、北イタリアの田舎から広まったスローフード運動が、日本でも静かなブームになっています。ファーストフードの向こうを張る名前ですが、要は、“食の画一化を排し、地域の多様な食材を大切にして、土地の伝統的な味を守ろう。それらを作る農家や職人の技術や取組を応援しよう。そして、ゆったりとした生き方を今一度考え、地域を活性化しよう。”というものです。それは、地域特産物マイスターの方々が取り組んでおられる活動と相通ずるものがあります。私たち個々人があり、家庭があり、地域があり、それぞれに個性、風土、伝統があります。その多様性の上に社会が成り立ち、多様性があるが故に活力と発展が生まれます。私たちの食べ物、食文化もその根っこは同じです。そこでは地域特産物が主役です。 |
発行
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財団法人 日本特産農産物協会
〒107-0052; 東京都港区赤坂1−9−13 TEL:03−3584−6845 FAX:03−3584−1757 ホームページアドレス http://www.jsapa.or.jp |
○平成15年度地域特産物マイスターを募集しています。
4年目を迎えた地域特産物マイスター制度は、本年度も20名程度の地域特産物マイスターを認定する予定で、応募期限を9月末日までとして現在募集を行っております。 地域特産物の栽培・加工等の分野で優れた技術を有し、特産産地の育成にも活躍が期待される方々について、市町村長、農業改良普及センター所長等から多くの推薦が出されることをお待ちしています。 なお、地域特産物の範囲について、しばしば問い合わせがありますが、要領では「その地域の立地条件や独特の技術を生かして栽培されている特産作物や、生産されている加工品」としており、いわゆる特産農作物より範囲を広め、例えば、果物や野菜であってもその地域独特のもの、独特の技術を持つもので特産品となっているものなどは対象に考えております。ただし、全国的に広く栽培されている稲・麦や一般的な果樹・野菜などは対象には入らず、また畜産物や林産物も対象にしておりません。 地域特産物マイスターは、これまでに62名の方が認定され、マイスターの肩書きによりそれぞれ各地で活躍されております。 この制度が更に進展し、各地で地域特産物マイスターがその技術を通じ地域の発展に貢献され、特産産地の発展に役立っていくことが期待されておりますので、マイスターとしての活躍が望まれる方などがおられましたら是非ともご推薦いただきますようお願いします。 ○畳消費拡大のためのイベント用PRパネルを作成しました。
○全国ハーブサミット珠洲大会が開催されました。
○東内秀憲さんが大豆づくり日本一で農林水産省生産局長賞を受賞
○「千丁町ひのみどり会」=福島安徳さんが全国農業コンクールで農林水産大臣賞を受賞
○マイスターの活動支援
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1.茶葉に魂を込め、忘れられない味に −手もみ一筋60年−
青木勝雄さん(79) 静岡県藤枝市瀬戸谷
<写真下:“でんぐり”を実演する青木さん>
2. 茶葉の長期保存と焙炉(ほいろ)作りで大活躍
近藤幸雄さん(76) 静岡市丸子大鈩
<写真下:製作中のほいろを見る近藤さん>
○豆腐・納豆の販売・表示調査結果を公表 当協会では、大豆の入札取引市場の運営等大豆関係の業務を行っていますが、平成14年度に豆腐と納豆について販売や表示の実態を調査し、その結果を平成15年4月に公表しております。ここでは豆腐の調査結果についてその概要を紹介します。
調査結果の概要は、次のとおりです。
2.豆腐100g当たりの販売価格はどれくらいか。
3.価格別の食味(モニターによる値段と比べての評価)はどうか。
4.販売促進のための「強調表示」にはどのような表示が多いか。
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