平成14年1月31日 マイスター通信 第2号
第2号
地域特産物マイスターへの期待
(財)日本特産農産物協会 理事長 西尾敏彦

 お正月のNHKテレビで、たしか「データマップ日本」といった名前の特集番組をみていたら、市町村別の個人所得伸び率を取り上げて、そのナンバー・ワンが和歌山県の南部川村であるという話が出てきました。南部川村は有名な「南高ウメ」の特産地です。でもこのところ、輸入品に押されて需要が頭打ちになっていました。それを「蜂蜜漬け」新製品の開発によって乗り切り、ついに日本一の所得伸び率の村にまで押し上げたというのです。たしか2位も、鳥取県の砂丘地帯でラッキョウの特産品を生産している町でした。いずれも伝統の特産農産物を大切にし、さらに新しい知恵を盛り込んで、時
代の要請に応えてきた市町村です。地域特産物を持つ市町村が、この不況の中でもがんばって、所得を伸ばしている姿は、これからの日本農業のあるべき姿を指し示しているように思われてなりません。
 戦後の日本の農業は、どうも稲・麦などといった作付規模の大きい作物ばかりを大切にしてきたきらいがあります。そのこと自体が間違っていたとは思いませんが、その分、地方の特産作物・特産農産品がないがしろにされてきたことは、否定できません。おかげで、大規模栽培に適さない中山間地の農業は置き去りにされ、長い伝統をもった地域農産物や在来品種が消えゆく運命をたどっていくことになってしまいました。我が国の農業が活力を失うようになったのには、こうした農業のあり方も関係したのではないでしょうか。
 農業は「知的活動の場」であるとよく言います。農業ほど知恵を活かし、創意工夫を楽しむことのできる産業は他にはありません。とくに特産物づくり・特産品づくりは、そうした知恵を発揮するのにもっともふさわしい場であると思います。これからの日本農業の発展は、あちらこちらの農村で、こうした知恵の創造がつぎつぎにわき起こることにかかっているのではないでしょうか。地域特産物マイスターは、そうした運動の中核になっていただきたい方々のための称号です。マイスターのみなさんの活躍が、もう一度この国の農業をよみがえらせるきっかけになることを信じております。

発行
財団法人 日本特産農産物協会
〒107-0052; 東京都港区赤坂1−9−13
TEL:03−3584−6845
FAX:03−3584−1757
ホームページアドレス http://www.jsapa.or.jp
○平成13年度地域特産物マイスターの認定
 平成13年11月28日付けで平成13年度の地域特産物マイスターを認定し、関係者に通知したところです。
 2年目を迎えた本年度の認定者は20名で、こんにゃく、黒大豆、さとうきびなどの栽培から野菜麹漬け、梅加工、手もみ茶、藍染めなど地域特産物の加工まで多彩な分野の方が認定されました。年齢は49歳から77歳までで、多年の経験・技術を持つ方が目立っております。20名の方の内容や活動状況等については別添のとおり写真入りで当協会ホームページに載せております。是非ともカラー写真のホームページをご覧になって下さい。
 すでにご案内しておりますとおり、2月25日に開催される第1回地域特産物マイスター会議において認定証を交付することとしております。

○地域特産物マイスター会議の開催
 地域特産物マイスター認定証の交付とマイスターの相互交流を図るため、前年度認定者を含め、第1回地域特産物マイスター会議を別紙のとおり2月25日(月)に開催します。
 同会議には、マイスターの殆どの方がご出席される予定になっております。関係者の方も多数参加され、相互の交流が図られることを期待しております。

○地域特産農業情報交流会議専門部会を開催
 当協会は、去る12月5日に東京三会堂ビルにおいて地域特産農業情報交流会議専門部会を開催しました。この専門部会は、従来薬用作物やハーブを中心に委員会形式で実施してきたものですが、本年度は新しい試みとして対象を特産作物全体に広げ、また参加者もオープンな形にして開催しました。
 内容は、作物の健康機能性の角度からヤーコンやゴマを対象とし、それに国産生薬の生産をめぐる状況を話題として、専門家からの話題提供、コメント、その後参加者による意見交換を行いました。 
 詳しい内容は、後ほど報告書として取りまとめる予定にしておりますが、内容を早く知りたい方は事務局までご連絡下さい。
 議事内容は、次のとおりです。
 @「ヤーコンの生産振興と健康機能性について」 
          独立行政法人 農業技術研究機構 四国研究センター
                 特産作物部資源研究室長            中西建夫 氏
  A「健康機能性の角度から見た、ゴマの国内生産の振興及び用途開発等について」
          茨城県笠間地域農業改良普及センター主査兼園芸課長 青木才生 氏

  B「国産生薬の生産と国内需給・将来見通しについて」 
     前国立医薬品食品衛生研究所生薬部長          佐竹元吉 氏

○マイスターの活動を支援
 当協会では、マイスターの方々が地域特産物の産地育成・発展のために活動する際に必要とする経費(講師派遣経費)の一部を負担する予算を用意しております。
 マイスターが技術研修会の講師等を務められる企画などがありましたら、その主催者から当協会までご連絡いただきたいと存じます。具体的な手続き方法については平成13年11月28日付け文書で関係機関にお知らせしておりますが、不明の場合は当協会にお問い合わせいただき、この制度をふるってご活用下さい。

○地域特産物マイスター協議会の設立について
 マイスターの方々の相互の連携・交流を図ることなどを目的に「地域特産物マイスター協議会」を設立したいと考えております。2月25日の会議開催前の13時にお集まりいただき、この件について打ち合わせしたいと考えております。事務的には当協会がお世話することとしておりますので、その設立についてご協力をお願いします。

○関連新聞記事情報について
 地域特産物関連の新聞記事を参考までに添付しています。今回は12年度認定の秋山眞和さん、小池芳子さん、高橋良孝さんと立花孝全さんの記事も掲載しております。
 マイスター通信は、地域特産物マイスターの皆さんの連携・情報交流の一つとしてご活用いただくものですので、今後も皆様の最近の活動状況や日頃農業やむらづくりなどについて考えていること、あるいは皆さんの近況でも結構ですので当協会までお知らせ下さい。


 
<マイスター関連新聞記事>
平成13年 1月10日 心込めた絹織物追求(秋山眞和)
平成13年 5月16日 地域の食文化と特産物を生かそう(小池芳子)
平成13年 7月 6日 ハーブ特産化へのポイントは(高橋良孝)
平成13年12月 6日 干し柿作りに温風ヒーター(立花孝全)
平成13年12月 7日 地域特産振興へ情報交換


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