調査年度:平成20年度
都道府県 市区町村名 人口 標準財政規模
鳥取県 三朝町 7,535人 2,543,177千円
ホームページアドレス http://www.town.misasa.tottori
施策名 『環境』のまちづくり推進(事業)
担当部課名 『生ゴミ』『廃食用油』環境型プラント事業:三朝温泉観光協会
おいしい水・鳥類レッドデータ:町民課
三朝米の生産:農林観光課
電話番号 0858-43-1111
施策の分類 20-D,20-E,20-G 施策の開始年度 平成20年度
予算関連
データ
事業費総額 S 200千円(鳥類レッドデータ)
事業期間 平成20年度から平成-年度まで
補助制度・
起債制度等

施策の概要
『生ごみ』『廃食用油』環境型プラント事業

1.取り組みに至る背景・経緯・目的

 国民の生活様式が多様化し、食べ残しなど多くの食品にかかる資源の浪費が問題となっている。

 温泉観光地を有する本町で、旅館からの残菜は、町内全体の生ゴミ排出量のおよそ2割を占めておりごみ削減が大きな課題となっている。

 この状況に対し、温泉旅館から排出される『生ごみ』『廃食用油』をリサイクルするプラントを建設

 今後、資源として活用していく取り組みを展開し、環境と共生した温泉地を目指す。

2.事業内容

(1) 『生ごみ』リサイクルプラント事業

 三朝温泉旅館から出される1日 平均約1,200sの生ごみを観光協会職員が収集し、プラントに投入する。およそ2週間をかけて調製され、投入量の約25%(300s)が有機肥料に生まれ変わる。できた肥料は、町内の水田や畑に還元され農作物の有機栽培に活用され、安全な食材の生産に役立てる。

@収集対象/三朝温泉旅館(最大収容人員 約3,500人)

Aゴミ発生量:462t(平成18年度実績 1日平均1,200s)

B処理方法 :バイオ式生ごみ処理(日処理量2,000s)

Cリサイクル肥料:投入量の約25%

(2) バイオディーゼル精製プラント事業

 三朝温泉旅館から排出される1日平均約100ℓの廃食用油を収集し、ドラム缶に貯蔵。

 7時間の行程を要して、115ℓの廃食用油から100ℓのバイオディーゼル燃料を精製する。

 三朝温泉旅館で使用される送迎用マイクロバスや公用車、ゴミ収集車などに使用する。

@収集範囲/温泉旅館、町調理センター、民間事業者など

A廃食用油発生量:40,000ℓ(平成18年度推計 1日平均100ℓ)

B精製方式:アルカリ触媒法・ドライ精製方式(1日処理量100ℓ/7時間)

C精製燃料:廃食用油115ℓから100ℓを精製

3.事業効果

 ごみの資源化による循環型社会の実現と環境と共生する温泉地づくり

(1) 『生ごみ』リサイクルプラント

@ 町内の生ごみの削減

A 『生ごみ』肥料活用による有機農作物栽培

(2) バイオディーゼル精製プラント稼動

@ 町内廃食油排出量の削減

A バイオディーゼル燃料活用による自動車排ガスのクリーン化

B  〃 二酸化炭素の削減による温暖化防止

4.工夫・苦労した点、課題、課題の克服法など

(1) 『生ごみ』から生み出された有機肥料を農家等へ還元し、特産野菜の生産を振興し、地産地消を進める。

(2) バイオディーゼル燃料は、旅館送迎用マイクロバス、ごみ収集車などで活用

(3) 将来、廃食油の回収については、旅館だけではなく飲食店などの事業所や家庭からも回収し、活用していく

鳥類レッドデータ生息調査

1.取り組みに至る背景・経緯・目的

「本町は豊かな自然環境を有す。」と誰もが理解しているが、その豊かさを示す具体的な指標が定まっていない。

 今回その指標を、平成14年に作成した「レッドデータブックとっとり」(動物編)の鳥類を基にそのレッドデータ(絶滅危惧種)の生息確認調査を行うことで、その指標の一つとするため、今年度取り組むものである。

2.事業内容

 「レッドデータブックとっとり」(動物編)の鳥類分科会等に関係する有識者に生息調査を依頼する。具体的な調査場所及び期間は次のとおり。

(1) 調査期間:4月〜7月の4ヶ月間(2回/月)

(2) 調査地点は

4月:三朝温泉街周辺(主として川沿いで確認できる鳥類)

5月:町内神倉周辺(猛禽類等の生息調査)

6月:町内三徳山周辺(  〃  )

7月:町内神倉・三徳山( 〃 )

3.事業効果

(1) 絶滅危惧種の生息を確認することで、「本町の豊かな自然」の指標となる。

(2) 貴重種の生息を情報発信することで、町民の自然環境に対する理解の醸成を図り、豊かな自然をアピールし、新たな観光資源として可能性を探る。

4.工夫・苦労した点、課題、課題の克服法など

植物に関しては数年来町教育委員会において植生調査を行っている。調査結果は冊子としてまとめるのではなく、ホームページ等を活用し情報発信することを計画。

おいしい水調査

1.取り組みに至る背景・経緯・目的

 「本町は豊かな自然環境を有す。」と誰もが理解しているが、その豊かさを示す具体的な指標が定まっていないのが現状である。

 今回、町内に存在する湧水等を「おいしさ」という観点から数値化することで、地域資源の掘り起こしと「豊かな自然」の指標とする。

2.事業内容

 町内の数箇所の湧水を採水し、水質基準の13項目に「おいしい水」の指標算出に必要な項目のCa、K、SiO2(ケイ酸)、Mg、SO4、Naの6項目加え分析し、算式に基づいて各々数値化する。

3.事業効果

(1)地元で利用している水の成分や効能、特筆点を町民が理解することで、健康への理解を深めるきっかけと地元に存在する未利用資源を再認識する。

(2) 『豊かな環境』をアピールでき、健康と観光での利活用が期待できる。

4.工夫・苦労した点、課題、課題の克服法など

 『おいしい水』は、全国各地にあり、他のものと違った成分があるなどの特筆すべきものがないと観光資源として弱いものとなってしまう。

【 過去の事例 】

平成17年に吉尾「赤にごの会」が、集落独自で「湧水のおいしさ評価」を実施。

三朝町吉尾簡水の浄水処理されていない余水(湧水)を水質調査し評価。

〜結果〜      Ca+K+SiO2

     おいしい水指標=  Mg+SO4  =2以上だとおいしい水

 健康な水指標=  Ca-0.87Na  =5.2以上だと健康な水

(1) 《吉尾の結果》:おいしい水=6.89 

SiO2の割合が非常に高。このような場合は温泉水に多量に含まれる場合が一般的。飲用の場合、糖尿病予防、抗動脈硬化、コレステロールの調整に効果。(報告書抜粋)

三朝米の生産

1.取り組みに至る背景・経緯・目的

 三朝町はかねてから、良食味米生産地として評価が高く。土質(耕土が浅く、下は礫が多い)や山からの伏流水による湿田が多いため、水稲以外の作物の栽培が困難な地域が多いことから、米づくりを中心とした水田農業の確立を目指す。

 農家の生産意欲を高め『質の高い売れる米づくり』『環境にやさしい米づくり』に取り組み米の商品価値を高め、耕作放棄地の解消を図る。

2.事業内容

 環境にやさしく高品質の『三朝米』の生産、販売に向けた取り組みとして、(仮称)【三朝町おいしい米づくり推進協議会】を設立し、次の項目に重点を置き推進する。

(1)環境にやさしい農業(米づくり)の実践

 @環境にやさしい農業であることを裏付けるため、三朝米生産者をエコファーマーとして県認定を受け、組織化して取り組みの強化を図る。

 A町内の【生ごみプラント】で生み出された有機肥料を活用する。

(2)【質の高い売れる米を作る】稲作への転換

 @高品質とは、生産から管理、販売までを徹底して管理することにあり、各地域個別に土壌行い、その土地にあったマニュアルを作成し、これを周知徹底する。

 Aマニュアルによる徹底した栽培管理を行い、消費者に対し今までのブランドイメージである『良食味米』にから【安心安全】の要素を加えた、『三朝米』として販売する。

3.事業効果

(1) 生産をマニュアル化することにより、@味・質ともに規格が統一され、A安定的な生産が可能な三朝米を生み出すことができる。

(2) 『三朝米』生産者がエコファーマー登録(県認証制度)をすることにより、@環境にやさしいA安心で安全な食品であることを消費者にアピール。米を特産品として販売することでき、米の消費拡大から農業所得の向上へつながる。

(3) 米の商品価値『ブランド』を高めることにより、生産意欲の向上をはかり、耕作放棄地の減少につながる。

4.工夫・苦労した点、課題、課題の克服法など

 JA内他産地米との差別化を図り、生産力を高めるためには、生産農家に対し、生産技術のマニュアル化を図り、周知する必要があるが、生産者に浸透するのに時間が必要である。