調査年度:平成15年度
都道府県 市区町村名 地方公共団体
コード
人口 面積 標準財政規模
新潟県 中条町 153109 27,655人 85km2 6,179百万円
ホームページアドレス http://www.town.nakajo.niigata.jp/
施策名 実験ほ場制度
担当部課名 地域振興課 電話番号 0254-43-6111
施策の分類 JK 施策の開始年度 平成15年度
予算関連
データ
事業費総額 2,100千円
事業期間 平成15年度から平成19年度まで
補助制度・
起債制度等
施策の概要
 この事業を実施しようとした背景には、水田農業経営を営む農業者の方々が直面している深刻な課題がある。それは、稲作における生産調整の拡大と米価の低迷、そして各種農産物の輸入拡大等である。
 無論、需給バランスに配慮した生産調整は必要であるし、農産物価格の決定プロセスにおける市場原理の導入も不可欠であろう。しかし、地域において農業が持続的に発展するということは、自然環境保全や食の安全確保等と密接に結びついており、行政としても、他の産業と趣の異なる配慮をしていくことに加え、積極的な支援策を講じていかなければならない。「実験は場制度」とは、このような背景を踏まえて発足されたものである。
 具体的に、国にも農業施策として各種の補助制度があり、水田農業経営、とりわけ生産調整に関わるものも多い。しかしながら、例えば特定の作物作付に対して有利となる補助制度となった場合、全国一律の制度であることから地域の個性に基づいた特産品は生まれにくい。むしろ、それこそ新たな需給のミスマッチを生じてしまう懸念もある。
 したがって、「実験ほ場制度」は、町独自の特産品の芽を育んでいくという発想からスタートしている。そして、行政の側で特定の作物への作付誘導は行わない。農業者の方々が自らの創意と工夫で作りたいものを作っていく、ただし、先ほどふれた国の助成金の優位さから全国的に生産超過になる懸念のある作物は除外する。このように、この制度に参加する方に対する要件や規制は、極めてシンプルで緩い。
 しかしながら、この制度を利用し、助成金の交付を受けられる枠は少なく、農業者の方々の創意と工夫の競争で対象者が決定されるというシステムである。したがって、農業者は消費者に受け入れられる農産物をいかに安全でおいしく作ることができるのかを考え、自己決定していくことになる。そのようなプロセスの中で、自ら進める生産調整、自ら取り組む転作作物(さらには転作から本作へ)という意識が醸成されることを企図している。
 上記のような前提で、町行政は、これらの作物のPRに努め、まずは所謂「地産地消」を推進し、中条町ならではの特産品開発に繋げていけるよう取り組んでいく。今年度から始めたばかりの取組であるため、効果の点は検証できず、また、おそらくはすぐに大きな効果を期待することもできないだろうと思われる。しかしながら、農業者がこの制度を自らのセーフティネットとして位置付け、失敗をおそれずそれぞれの作付に挑戦していくことから特産品の芽が育っていくことを期待していきたい。