地産地消優良活動表彰者の概要
 
農林水産大臣賞
【交流促進部門】  
表彰団体名 世羅高原6次産業ネットワーク
代 表 者 井上 幸枝
所 在 地 広島県世羅郡世羅町西上原
 
表彰理由
「世羅高原6次産業ネットワーク」は、広島県世羅高原(世羅町、世羅西町、甲山町、平成16年10月合併し世羅町)に散在する地産地消関連の1次産業から2次、3次産業までの生産者45団体をネットワークでむすび、それぞれの特徴を活かして地産地消運動の相乗効果を高めている代表的事例である。
平成9年度「農村地域6次産業推進事業(広島県)」を契機にで結成され、「フルーツ」「フラワー」「広大な農地」、「香り」の4つのイメージを地域づくりのメーンテーマとし「産地ブランド化」「イベント企画」「アンテナショップの開設」「分かりやすい案内看板の設置」の5つの事業を展開し、世羅高原への入れ込み客数は、平成8年度の42万人から16年度の113万人に、売上高も8.4億円から13億円に増大するなど地域振興に大きな役割を果たしている。
本ネットワークに参加する45団体(フルーツ農園7、直売農園11、産直市場4、加工グループ12等)は、お互いに連携し、人材、資源、施設を活用し、足りないものを補い合って商品開発、イベント、PRを一丸となって推進している。
「6次産業」推進のために、推進体制の確立、ビジョンづくりに加え、商店経営コンサルタントを講師に招いての「マネージメントセミナー」などのリーダー育成や地場農産物を原料にした50品目もの加工品の開発による世羅高原ブランド産品の認定などの多くの成果がある。
これまでの活動の更なる発展のため、ネットワーク会員のコア施設として、来春ファーマーズマーケットをオープンし、世羅高原ブランドの発信基地とすることを計画している。
以上のように町内の地産地消関連団体をネットワークでむすび、農村地域6次産業化をキーワードに、それぞれの特徴を活かした全町(世羅高原)農村公園化に成功し、多くの都市住民との交流が行われている。地産地消のネットワーク化と相乗効果による総合力の発揮の先進事例として高く評価される。
 
【中心として取り組んでいる活動】
1. ネットワークによる地域ブランド化等の推進
活動の理念は、生産者のネットワークによる地域丸ごとブランド化で、キャッチフレーズを「元気を売りますせら夢高原!元気を買いにせら夢高原!」として取り組み、元気を提供している。
イベントの開催
広島市にあるアンテナショップ「ひろしま夢ぷらざ」での春と夏の各2週間にわたるイベントを開催し、世羅高原のPRと市場調査を実施。この中では、生産者が毎日対面で特産品販売を行うほか、交流の場をつくり、日替わりで梨のスムージやテンペなどの料理講習を行いながら商品紹介を実施。毎回450万円前後の売り上げがあり、世羅高原のPRとしても有効。
大型イベント「フルーツ王国せら高原夢まつり」を開催し、会員全員で、産品販売テント村・屋台食べ歩き街道・特産品を使ったクッキング・体験コーナー・フルーツオリンピック・フルーツやこだわり産品展示などを実施。2日間で2万人〜3万人の入場者。
産品試食会
   会員の産品を集めて1年に1回開催。過去1年間のうちに開発した新しい商品を持ち寄り、試食と情報交換や商品力を高める場としている。
  毎回40点以上の産品が集まり、その結果、協力してアンテナショップへ出せる自信となり、セミナーなどで研究開発した商品も加え、200〜300種類の産品をひろしま夢ぷらざへ出品している。
     
2. ブランド認定
   ネットワーク会員が作る産品をブランド化するため、認定委員会を設立し、会員が作る地場産の産物を認証。認定された産品は200点に及び、町のシンボルマークを使った認定シールを作り、シールを貼り販売。
     
3. 会員相互が協力し地産地消を推進
 会員による直売所19ヵ所の手数料や搬入方法等を調整し、会員相互の産品販売協力体制が確立。直売所に参加する会員が増え、現在4箇所で約600人ほどになり、若い農業者も就農するようになった。
  また、特に観光農園に少なかった地場産品をネットワークにより、みやげとして、アイスクリームなどの地場オリジナル加工品の委託販売するなど、会員相互の人材や技術・施設を活用する取り組みを開始。
 
ひろしま夢ぷらざ
 
フルーツ王国せら高原夢まつり
〔 参 考 〕
6次産業とは、1次産業に2次産業・3次産業を掛け合わせて6次になるという造語で、農業のトータル産業化をいうものだった。1.5次産品に対して、見る・食べる・触れる・泊ると言う消費者ニーズを考慮し、農業経営の中に取り込んでいくことをいう。
 
農村地域6次産業推進のイメージ